この間、チュニジアで撮った動画を編集していて、気づいた。素材となる動画が、下手くそすぎることに。
iMovieはすばらしい動画編集ツールなのに、チュニジアは本当に景色も美しかったのに、撮った動画がこれほどまでにイマイチでは、どうにもならん。
そこで、ビデオカメラの上手な撮影方法の本を何冊か読み、「これだけ守れば、多少は見られるものになりそうだ!」というルールだけメモした。
手ブレは減らしたいが、人間の脳は目から送られてくる映像を常に補正して、滑らかに認識しているので、自分ではスムーズに動いたつもりでも、動画を再生してみるとガタガタしていることは多い。プロは、重いカメラを肩に乗せて安定させ、腰から下を柔らかくして、カメラを揺らさないように撮るので、綺麗な映像が撮れる。
初心者は「面白いだろう」と思って手持ちの歩き撮りをしたがるが、テレビ番組でもカメラが止まっていることは多い。
3. 動画は、視聴者が内容を認識するのに時間がかかる
すぐに対象や状況が分かるもの ― 10秒以上
すぐには対象や状況が分からないもの ― 20秒以上
は、じーっと我慢して撮る。 ワンカットがこれより短いと編集で使えない。
撮影者はビデオカメラの外の状況が分かっているが、視聴者はそうではない。
パッパッとカメラを動かすのは初心者がやる悪いくせ。
その場の状況が分かる遠景の「引き」と、注目すべき情報をアップにした「寄り」を両方撮っておくと、編集で使いやすい。
ズームは人間の目にはない機能。多用すると、目が疲れるだけの動画になる。
ファインダーを覗きながら、撮影する対象を探してはいけない。
広大な景色などをカメラを左右に動かして撮ることを「パン」、高いビルを見上げるようにカメラを上下に動かすことを「ティルト」という。「パン」「ティルト」は、はっきり言って最初と最後の画さえ美しければ、間は重要ではない。
1. 構図とスピードを決め、編集でカットすることを考え、最初の画で5~10秒撮る
2. 少しずつカメラの移動を始め、落ち着いてカメラを動かし、最後はしっとりと止める
3. 最後の画で、また5~10秒撮る
なお、手持ちの歩き撮りは、素人はまず間違いなく失敗するとか(笑)自分は止まっていて、動く対象を追いかけてカメラを回すフォロー・ショットのほうがまだよい。
9. 尺の真ん中にベストシーンがあれば最高
「尺」とは、テレビなどの専門用語らしいが、動画の「時間」のこと。状況認識のために数十秒~ベストシーン(たとえば、子どもたちの最高の笑顔、など)~余韻にまた数秒、というようなカットが撮れるのが最高。運にも左右されるが。
美人、魅力的な顔の人、子ども、動物、見慣れないもの、美しいもの、複雑なもの、派手な色のもの、動くもの、音がするもの、など。
「イベントのにぎわい」を伝えるためにはどんな画があればいいか? など、視聴者の視点になって考えてみる。空や看板、観客などの無難な映像も撮っておくと、インサートショットとして使える。
iMovieですごく簡単にできるカット編集。初心者がいくつか気をつけたいことは?
1. 極端なサイズ違いの動画をつながない
同じシーンなのに、遠景の直後にズームアップする、など。視聴者がついていけない。
2. 同じポジションの動画をつながない
コマ落ちに見えてしまう。できれば別角度の動画を挟みたい。
3. トランジョンは正確に使う
トランジョンとは、場面と場面の切り替えの効果のこと。フェード、ワイプ、ディゾルブなどがある。これは、出来事の性質が変わったときに使う(それ以外はカットつなぎ)。好みだとは思うが、動画編集ソフトにはトランジョンの種類がありすぎるので、なんでもかんでも使うと見ているほうは疲れる。
……次の旅行からはも少しマシな動画が撮れるといいな。