神奈川県立 生命の星・地球博物館の「大地からの贈り物」展を見てきました。
(秋の新宿ショーにもポスターが貼ってありました)
櫻井コレクション、萩原コレクションなどからの見ごたえのある国産鉱物が多く、展示方法も、鉱物ができる場所ごとに並んでいて、面白かったです。講演会も聞くことができたので、充実した一日でした。
思い出しながら、ブログを書いています。
常設展も巨大な鉱物がドーン、ドーンと展示されていて、楽しめました。もうすぐ会期が終わってしまう(~11/6)のですが、お近くの方はぜひ。
博物館は、小田急線の箱根の近く、「入生田」という駅にあります。新宿から急行小田原行きを使い、2時間弱くらいかかります。
朝九時ごろに行ったので、電車の中は箱根の温泉や登山に行く人でいっぱいでした。大涌谷のロープウェイは、まだ時間制限はありますが、全線動いているんですね。よかった。
さっそく、「大地からの贈り物」展へ。
今回、「まずは自分の目でじっくり見よう」と決めていました。シンガポールのとき、写真を撮るのに夢中になって、ずいぶん忙しかった印象があり、少々後悔していたのです。写真なんて、どうせ素晴らしい図録があるんだし(900円なり。これ、大変充実しています)、自分で撮る必要はないよねー! ってことで。
仙厓展のときも思ったのですが、やっぱり実物、本物を目の前にするというのは、写真とはぜんぜん違います。立体感や細部、それに、何かこう、私は今、この石と同じ空間にいるんだなっていうのがね(笑)。
もちろん、接写して初めて分かる、美しい細部というものもありますが。
最初に地球のマントルの説明があり、鉱物は地球の殻のとっても薄いところにたくさんあるんだな、と。そして、元素の周期表の展示が(上の写真)。
展示室は、「鉱物ができる場所」ごとに展示されていて、初心者にも分かりやすかったです。
三つの大きなゾーン:
・マグマの中でできる…(1)
・熱水でできる…(2)
・大地の熱と力を受けてできる…(3)があり、
加えて、三つのやや小さなゾーン:
・地表でできる(水のはたらき、生き物から)…(4)
・地球深部でできる…(5)
・宇宙でできる…(6)
(※番号は私が今、適当につけたので図録とは違います)
さらに、(1)なら、「火成岩をつくる鉱物」、「マグマだまりの底に濃集する鉱物」、「マグマ活動の最後にできる鉱物」、などと分類されていました。
同じ鉱物が複数の場所に出てくるので、ときどき分からなくなりますが。
(1)マグマの中でできる
ここは、トパーズやザクロ石など、私が好きな石が多いです。もちろん水晶の展示ケースもありました。
このコーナーは目で見て堪能したので、あまり写真を撮らなかった(^-^)
(2)熱水の中でできる
沸石、菱マンガン鉱、蛍石など。国産の鉱物がたくさんあり、見ごたえありました。
あと、自然金、自然銀も。あっ、オパールもそうなんですね、知らなかった。
透明感があってすりガラスのような色合いの蛍石。見ていると、ほわーっとなる石。
カメラマンが接写で撮った透明な美しい結晶の写真が飾られていて、おお!と思ってルーペを覗くんですが、肉眼では写真ほどよく分からない(^^;
熱水の温度の高い低いによって違うものができるんだなぁと思いました。
大涌谷とか、山北町の砂金とか、神奈川県の鉱物がわりと多かった気がします。ご当地ですね。
個人的にびっくりしたのは、国産ロードクロサイトのコーナーです。
稲倉石鉱山の立派な/面白い形の菱マンガン鉱がめっちゃ沢山ある! このコーナー、四つをのぞいて全部そうでした。後ろに飾られている写真も美しいですね。
これが、一番すごいものだと思います。
色も濃いし、綺麗な菱形に結晶している。写真はいまいちですが。
ちなみに常設展のほうにも結構ありました。
(3)大地の熱と力を受けてできる
ポスターになっている、深紅のバラ輝石などがありましたが、私は、クリソタイルのえのきみたいな糸状の側面にもひかれました。
蛇紋岩の岩肌の写真もいいですねー。
(4)地表でできる(水のはたらき、生き物から)
砂漠のバラ(石膏、重晶石)や岩塩などがありましたが、
すごく大きくて、そのままランプにしたい!
下からライトを当てる展示がまた素晴らしい。
いや~これがバルト海から採れるのか。グダンスクに行きたい。
(5)地球深部でできる
立方体で一面に三角形の模様があるダイヤモンドの原石、素晴らしかったです。写真だと表面がよく分かります。スピネルも綺麗だった。
ダイヤモンドが高価な理由が初めて分かりました。地球の深部からやってくるからなんですね。
ちなみに、かんらん石とペリドットは同じものなんでしょうか?
最後に、鉱物を宝石のようにカットして磨いたものがズラッと。
ここに上げた写真はごくごく一部で、本当にたくさんの鉱物が展示されています。
再度言いますが、図録が大変充実しています。
* * *
「大地からの贈り物」展を二時間くらい見ていたので、終わると11時半ごろになり、お昼ごはんにカレーを食べました。
常設展は講演会の前後にかけ足でしか見てこなかったのですが、少しだけ写真を載せます。
鉱物は一階の一番最初のエリアにあります。それと、三階の「ジャンボブック」という展示室にも、鉱物の「ブック」があります。最初に「ブック」のほうから。
何だか、あまりにもたくさん、見事な稲倉石鉱山の菱マンガン鉱があるので、誰でも簡単に手に入れられるような気分になりますが、こんないろいろ綺麗に結晶しているものはなかなかもう手に入らないですよねー。
講演会で写真撮影に使ったくらいの大きさも、可愛かったです。
ストロベリーピンクでおいしそうでした。
一階に下りる階段の途中で、たくさんポスターが貼ってありました。
また会いに来たいです……。
これも写真が白く飛んでしまったのですが、ナイカ鉱山の石膏です。
いやー、大きな石は見ごたえあっていいな! もっと家の近くにあればいいのに。
* * *
講演会の話を書こうと思ったのですが、ここまでで、かなり長くなってしまったので、この記事は終わりにします。
でも、鉱物写真撮影の実演、とても面白かったので、どこかで聞いたことを整理しておきたいです。
やっぱり、写真を撮ったり、学芸員さん(司会の方がとても面白い方でした)に細かい部分を解説してもらうと、その鉱物に興味が出てくるもので、講演会が終わった後、湯河原沸石とその写真を見に展示室に戻りました。斧石も興味が出てきたし、四つの鉱物が共生している曹長石も、午前中はノーマークだったので、じぃっと見てきました。
こういう展覧会があったときは、なるべく講演会に参加したほうがいいのかもな、などと思いましたね(^^)
駆け足ですが、これでおしまい。
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