ちくま学芸文庫で出た『鉱物 人と文化をめぐる物語』を読みました。
掘秀道先生のエッセイなどを集めたものです。
文章が格調高いです……。
いちばん面白かったのは、「タイム・マシーン」。
「鉱石」という言葉の意味が、辞書的な定義ではなく、日本列島の歴史として想像できる気がしました。
江戸時代以前、必要な材料はすべてこの列島から得なければならなかった、ということが、何でも輸入できる今では想像できないほど大変で、そのぶん、各地域の山や鉱脈をよく見ていたんだろうなと。
天孫降臨の神話がある日向の高千穂が、日本最大の錫(青銅を作るのに必要)の産地、というのも面白いと思いました。
「美しい石の都」サンクトペテルブルグやブルガリアには一応行ったことがあるし、ラピスラズリはちょうど読んでいた『宝石の国』に出てきたしw、修学旅行にかこつけて苗木町に行った(!)とか、新宿ショーが始まったころの経緯とか、昔のお話も興味深かったです。新宿ショーは最初赤字だったのですね……。
一遍ずつじっくり読めます。ぜひ~
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