マハーバーラタまんが、その3でーす。
天国あたりでの会話なので、クリシュナさんは高次元バージョンで、青い肌。ほんとは腕が四本あります。アル(ジュナ)ちゃんは相変わらず適当。ごめんなさい。
※衣装など参考にしたのは、インドのデーオーガルというところにあるヴィシュヌ神の寺院。素晴らしい彫刻が残っているのですが(Google画像検索はコチラ)、ヴィシュヌ神の髪は縦ロールのチョココロネ…………! 頭にロールパン、いや中華パンの花巻が乗ってる人もいるし。当時、本当にこういう衣装や盛り髪があったのかなー、と。
上村勝彦先生急逝により、カルナの章の途中で終わりになってしまった、『原典訳マハーバーラタ』ですが、最後の八巻はちょうど、アルジュナが兄貴のユディシュティラを殺そうとしてクリシュナに止められる……というシーンで終わっています。
サンスクリット語から直接翻訳されたので「原典訳」。残念ながら訳者の上村先生急逝のため途中で終わっています。
クリシュナもさぞかし焦ったことでしょう。あの状況でユディシュティラが死に、アルジュナが自責の念にかられて自殺したら、戦争は終わりだもん。アルジュナのお守も楽じゃないよね。
神の化身とはいうけれど
突然現実的な話をすると、クリシュナさんが「神の化身」というのは、順序が逆だと思うんです。
たぶんこの人の周囲では、子どもの頃から不可思議なことがたくさん起こったんでしょう。あまりにもそういうことが起こるので、「神の化身」と呼ばれるようになったんだろうと思います。
とにかく牛飼い村で育った子ども時代から奇跡の話ばかりだし、大人になってからも「あんたの周りの物理法則はどうなってるんだよ?」という自在ぶり。ただ、何でもできるチートかというと、必ずしもそうじゃないんだろうな、と思っていて。
食べ物などを無限に出す、というのは、簡単な部類の奇跡。
本当に難しいのは、歴史を左右するということ。
クリシュナさん、そこまでチートな能力があるのなら、悪者ドゥルヨーダナの首をスッパリはねて、全部終わらせればいいんじゃ?! と思ったりもするのですが、実際何度もやろうと思えばできたはずなんですが、そういうことはしないんですよね。
やっぱり歴史というのは、神のような存在が介入するのではなく、当事者の人間たちが紡がなきゃいけないと思ってるのかな、と。
クリシュナさんは宗教的指導者で、戦闘では参謀なんだけど、でも、実際に行動するのは主にアルジュナ。武器を手に取って行動するアルジュナがどうしても必要なんですよね。二人で一組。
一方で、アルジュナとビーマの戦闘力を使って、自分の宿敵ジャラーサンダを倒させたりもしているので、「自分は手を汚さずに……」「腹黒い策略家……」などと陰口を叩かれたりもするわけですが、うん、確かに! そうだけど!www 神の化身も! それなりにたいへんだったんじゃないかな! と、想像したりするのでした。
「神であっても、人間に生まれたら人間として生きる。クシャトリヤに生まれたら、クシャトリヤとして生きて責務を果たす」んだから、自分の民を守るためには敵も殲滅するんです。しかたないよね。
あー、でもこの人は、「サンサーラ(輪廻転生)」を超えてるんだっけ。何をやっても行為の一切がカルマにならないんだ。やっぱりチートかもしれないな……。
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