英語版マハーバーラタの適当な訳文、その2です。
カルナの章の最後あたり。
原文の出典や言い訳などは、「カルナの死(その1)」をご覧ください。
Karna-parva(カルナの章)
91
サンジャヤは言った。
それから戦車に乗っていたクリシュナがカルナに向かって言った。
「カルナよ、幸運なことに、おまえは美徳を思い出した!
一般的に見られるのは、窮地に陥ったとき、非難は神に向かい、自分自身の悪行には決して向かないということだ。
おまえ自身とドゥルヨーダナ、そしてドゥフシャーサナと、スバラの子シャクニは、一枚の布しか身につけていなかったドラウパディーを宮廷の真ん中に引きずっていった。その時、おお、カルナよ、おまえのその美徳は現れなかった。
サイコロ賭博に精通しているシャクニが、それに不慣れなクンティーの息子ユディシュティラを打ち破ったとき、おまえのその美徳はどこにいっていたのか? おまえの忠告のもとで行動するクル王ドゥルヨーダナがビーマに毒を盛ったとき、おまえの美徳はどこにいっていたのか?パーンダヴァたちの森への追放が十三年目に終わったとき、おまえたちは彼らの王国を返さなかった。おまえの美徳はどこに消え去ったのか?
おまえたちは眠っているパーンダヴァを殺すためにラックの家に火を放った。おまえのその美徳はどこに行っていたのか?
おまえは(生理中だった)ドラウパディーが宮廷の真ん中に立って、ほとんど着物を身につけていないことを笑い、(ドラウパディーの着る物を剥ごうとした)ドゥフシャーサナに従順だった。さあ、カルナよ、おまえの美徳はどこにいっていたのだ?」
※サンジャヤは、あらゆる場所が見える心眼を授けられた人で、彼がこの戦争の細部をくわしく語る、という形式になっています。
「罪のないドラウパディーが女たちの部屋から引きずり出されたとき、おまえは妨害しなかった。カルナよ、おまえの美徳はどこにあったのだ? おまえは王女ドラウパディーに言った、象のそれと同じくらい品位がある、踏みにじられた女性に。「パーンダヴァは死んだも同然だ、ドラウパディーよ、彼らは永遠の地獄に沈んだ。おまえは別の夫を選ぶがいい!」。おまえはそう言ったとき、喜んでいるように見えた。カルナよ、おまえの美徳はどこに消えた?
王国にこだわり、ガンダーラの支配者(シャクニ)に頼って、おまえたちは(サイコロ賭博の試合に)パーンダヴァを呼んだ。おまえのその美徳はどこにいった?
少年アビマニユ(アルジュナの息子)を多くの強力な戦士たちが包囲して大勢で殺したとき、おまえのその美徳はどこにいったのだ?もし、おまえが今目覚めたというこの美徳が、これらの場合にはどこにもなかったとしたら、今、口がカラカラに干上がるほどそうして言葉を発して何になろう。おまえは今、美徳を実践する者である。御者の子よ、しかし、おまえはこれまでの人生から逃れるべきではない。
サイコロ賭博でプシュカラに敗れたが王国を取り戻したナラ王のように、パーンダヴァは強欲から解放され、友人たちの助けを借りて、また彼らの武力によって、王国を取り戻すだろう。
彼らの強力な敵を戦闘で打ち倒すことで、彼らは王国を取り戻す。ドリタラーシュトラ(ドゥルヨーダナの父)は破滅に出会うだろう、人中の虎(ライオン)たち、つねに美徳に守られたパーンドゥの子らによって!」
サンジャヤは続けた。
このようにクリシュナに演説されて、カルナは恥ずかしさで頭を垂れて答えなかった。怒りで唇を震わせながら、彼は弓を上げた。そして、大きな力と才能に恵まれた彼は、アルジュナと戦い続けた。クリシュナは人中の雄牛であるアルジュナに言った。「大いなる力よ、カルナを天の武器で貫き、彼を倒せ」
聖なる人にそう言われて、クリシュナがほのめかした事件を思い出して、アルジュナは激怒で燃え上がった。そして、王よ、燃える炎が怒ったアルジュナの体のすべての毛穴から発しているように見えた。そのさまは非常に素晴らしかった。それを見て、カルナはブラフマストラを召喚し、アルジュナに矢(槍?)を投げつけ、もう一度、戦車を解放しようと努力した。アルジュナもまたブラマストラの助けを借りて、カルナに矢を土砂降りに射かけた。 敵の武器を自らの武器で邪魔しながら、パーンドゥの子は彼を射続けた。それから、アルジュナは、カルナに向かって、アグニ(Agni、火の神)のエネルギーが吹き込まれた別のお気に入りの武器を使った。
アルジュナに放たれると、その武器はそれ自体のエネルギーで燃え上がった。しかし、カルナはヴァルナ(Varuna、水の神)の武器でその大火を鎮めた。 カルナも、彼が作り出した雨雲によって、雨の日のような暗闇ですべての方角を覆い隠した。大きなエネルギーに恵まれたパーンドゥの子は、カルナの目の前で Vayavya の武器を使って、これらの雲を大胆に払いのけた。それから、御者の息子は、パーンドゥの子を殺すために、炎のように燃えるおそろしい矢を取り上げた。その崇められた矢が弓ひもに固定された時、大地は彼女の山と水と森で震えた。激しい風が吹き始め、硬い小石を飛ばした。すべての方角が埃で覆われた。天国の神々の間で悲しみの嘆きが起きた。その矢がカルナによってパーンダヴァに向けられたことは、暗い心で、彼らに深い悲しみを与えた。
その鋭い切っ先の矢は、シャクラ(Sakra)の雷の光輝をまとい、カルナの腕から高速で放たれて、アルジュナの胸の上に落ち、そして蟻塚を突き通す強力なヘビのようにそれを貫いた。この衝突で深く貫かれて、高潔なアルジュナはよろめいた。彼のしっかりつかんだ手から力が抜け、ガーンディーヴァ弓が手から落ちた。彼は地震の山々の王子?のように震えた。この機会を利用して、大地に飲み込まれていた彼の戦車の車輪を解放しようとして、強力な戦士のカルナは彼の戦車から飛び降りた。
Vibhatsu は文脈からしてアルジュナの別名だと思います。あ、Vrishaもカルナの別名だった……。地震の山々の王子って何だろう。
クリシュナよくしゃべってます。辛辣でいいね。
whither had this virtue of thine gone? って何回言ってるんだ。
というかカルナ、窮地に陥っても普通に強いよね。
次が最後です。
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