『SHERLOCK』は数年前シーズン1~3を見てから時間が経ち、コロナ禍の今年、やっとシーズン4まで見たので、感想を書こうと思います。
というのは、最終話でいろいろと秘密が明かされた後で、全シーズンを振り返ってみると、私には「マイクロフトお兄ちゃんから見た景色」というのが見えてきて……ずーっと弟を心配してきたんだなー!! というね。シャーロック、あんた心配かけすぎじゃね!? と、まず思ったんですが、いや、違うな、そうじゃない。
シャーロックがもう本当に愛されてるんだ。そういうドラマ。
実は敵味方、あらゆる人物に愛されまくっている主人公。シャーロックならそれも分かるけど。だってあんな弟が……あんな賢くも不肖の弟がいたら、愛さずにはいられないよね!??
で(落ち着け)、これからそれを書くんですけど、BBCの『SHERLOCK』を最後まで見ていない人! 全シーズンのくわしいネタバレだから絶対に見ないでね! 人生損するよ!! あの高機能社会病質者のキュートな巻き毛の青年がジョンに出逢ってじれったくなるほどゆっくり成長(?)していくのがいいんだから。そういう話。
え? ミステリー? ああ、うん、でも『SHERLOCK』はキャラクターのドラマだと思います。個人的には、1-2とか2-2とかミステリー要素だけの回はそれほど面白くなくって(ゴメン)。3-2はミステリーと人間的成長の具合が絶妙でとてもよかったけど。
以前書いた、シーズン1の第1話(以下1-1と表記)『ピンク色の研究』の感想はこちらです♪
「SHERLOCK」タグの付いた記事一覧はこちら♪
以下、ネタバレ開始
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(この部屋、どこかの施設の地下みたいですが(→4-1でSHがタクシーで「The Mallへ」と言っている)。レストラードも3-3で一瞬だけこの部屋を訪れている。肖像画の女性、誰だろう。ディオゲネスクラブの談話室もいいですよね。あと2-1で酒飲んでるところは甲冑や古いテーブルからお城みたいだなと思ったんですが、3-2のトレッドミルがある部屋にも甲冑があるので、ひょっとしたら全部自宅なのかも!? 原作のマイクロフトは野心のない安月給で満足している人らしいですが、現代版マイクロフトは野心はともかく高給取りだと思います(笑)スーツ幾らなんだろう!? シャーロック一瞥して解読して)
シーズン1と2の総論感想
※すべて個人的で主観的な感想ですので悪しからず。
そこに、誰かがやってきて……
シーズン1と2は、シャーロックとジョンと、シャーロックの「影」であるモリアーティの話。
まず非常に優れた、ブリリアントな才能を持った人間(シャーロック)がいる。
しかし、彼には何らかの人間的な欠陥、あるいは成長する余地がある。
そこに、誰か(ジョン)がやってくる。
そして、ジョンと関わることで、シャーロックはゆっくりと変わっていく。そういう話の類型。類型というほどでもないけど。人間関係そのものだし。『SUITS』のシーズン初期、ハーヴィーとマイクの役割とも似てますね。
そしてシーズン1と2は、シャーロックが自分の「影」であるモリアーティと対決し、決着をつける話でもあります。
それは、初期にシャーロックを毛嫌いする警官たちに言われた、「彼は心を病んでいる。いつか犯罪者になる。」という言葉に対する答えでもあります。
モリアーティはシャーロックのありえたかもしれない姿、鏡に映った自分、コインの裏表。
犯罪を諮問(コンサルタント)する犯罪者。
犯罪の解決を諮問(コンサルタント)する名探偵。
どちらも超高機能なソシオパスで、退屈さに耐えられないところも同じです。
不謹慎な言い方かもしれないけど、モリアーティはシャーロックにとって必要な人なんですよねw シャーロックは複雑な犯罪の謎解きがないと自分らしく生きられないんだからww
犯罪の犠牲者を悼まず、人質の命も気にしない、犯罪自体を「面白い」と呟いてしまうようなシャーロックのサイコパスな側面、そして他人を極度にイライラさせる言動がよく出てきたシーズン1と2でした。
しかし、ざっくりと経過を端折ると、彼は「天使の側にいる」ということをモリアーティからも言ってくれ、シャーロックは最終的には自らの影、最大の敵であるモリアーティを葬り去ることに成功する。
ただし、シャーロックのほうも、二年間の死の偽装のために、ジョンにものすごいトラウマを残して去る、という代価を払わなければならなかった。(しかも、モリアーティは死後も彼のマインドパレスやその他に登場し続けるんだけど、それはシーズン3と4の話)
このシーズン1、2では兄弟関係はあまり描かれてないですね。マイクロフトはレアキャラでした。
不肖の弟と、兄の呪縛
シャーロックは、最初の頃は兄をかなり「上」に見ていると思います。「兄は英国政府そのものさ」というセリフも、ドイルの原作にもあるし、実際にそうなのかもしれないですが、まあ、大げさですよね。マイクロフトは謙遜して「英国政府のささやかな職」とか言ってるのに。
シーズン4までに明かされた(多くはマイクロフトが口走った)情報を参考に、このとき兄弟がどういう関係にあったのか整理すると、
(1) シャーロックは、小さいころから兄に「利口ぶるな。私のほうがおまえよりも賢い」と言われ続け、刷り込まれて育った。
※これについては、七歳も年上なんだからマイクロフトも大人気ないことを…と思わなくもないが、まあ、二人とも子どもだったからこそ、張り合ったんだろうと思う。
(2) シャーロックは薬物乱用で死にかけたかして、兄に助けられたことがある。そのとき、両親のラインダンスを邪魔した。
その日以降、どこで発見されても助けられるようにと、摂取した薬物のリストを作るよう兄に約束させられた。シャーロックもある程度はそれを守っている。
(3) 他にも、兄が「われわれの間には様々な恨みつらみが」と言っているので、若い頃は兄弟でかなりやり合っていた。お互い、相手に本気でダメージを与えようとするとひどいことが起こっただろうから、「恨みつらみ(”Old scores, resentments”)」というのも誇張ではないはず。
シャーロック側
というような過去があり、シャーロックは兄を毛嫌いしている(笑)。
そして、(1)を刷り込まれすぎたせいか、シャーロックのマインドパレスには兄の姿がずっと登場し続ける。シャーロックが自分で作り上げた「(自分より賢いかもしれない)兄の像」があって、それがあれこれ口を出してくる。もちろん、マインドパレスのマイクロフトは、役立つことを言ってくれるんだけど。上から目線で。これはある意味では呪縛と言えないこともないと思う。
マイクロフト側
しかし、シャーロックがそうやって、多少は理由がなくもない兄への反発を続けている間も、兄は兄でずーーーっと弟を心配しているのである。ジョンが1-1の最後に「本当に心配してます?」と聞いていたけど、本当にしてるんだよ。だってこの弟が、よく考えると相当ヤバいんだから。
レストラード以外の、シャーロックを毛嫌いする警官の皆さんの言葉は、可能性としては結構正しかったかもしれないと思う。
マイクロフトの心配は杞憂ではなかった。
一つ下の天才の妹が幼い頃に弟の親友を殺害して特殊な施設に入っていて、弟はその記憶を封印して人が変わったようになった。しかし、記憶はいつか蘇るし、そのとき弟がどういうふうに変わるのかは、誰にも分からなかった。
シャーロックが妹と同じようになったら、モリアーティ側に、悪魔の側に行ってしまったら、それこそ常人では手に負えない敵になってしまう。だから兄として心配するのはもちろん、情報機関としても警戒をするのは当然なわけです。
でも、マイクロフトは法の秩序を守る人だから、疑いがあるだけではモリアーティさえも逮捕しない(2-3, 4-3)。
それ以外にも、シャーロックは退屈になると薬物を摂取し始めるやっかいな悪癖があって、本人は「ぼくは依存症じゃない!」とわめいてるけど、一歩間違えれば薬物の過剰摂取で死体になってそこらへんに転がってる可能性もあった。
本当につかず離れず、見守りが必要な弟で。
弟の協力者になりそうな人物(ジョン)が現れるとすぐさま会いに行き、失恋した弟が不安定になるかもしれないと思えば「見張ってくれ」とクリスマスの晩に無慈悲に頼み(「彼女と関わらせたのは間違いだった、すまなかった」というのは、さすがに過保護すぎないかと思ったけど)、弟がまた麻薬を始めたと知れば、ファンクラブの皆さんに家探しをさせつつ、階段の一番下にちんまりと座って弟の帰りを待つ……。
とくに描写はないけど、ハドソンさんとレストラードにも、1-1以前に接触してるんですよね。2-2でバスカヴィルにレストラードが現れたのはマイクロフトの頼みだったし(でも、レストラードは自分の意志で来たんだけど。いい人なんだよなー。シャーロックのことほんと健全に愛してる)
しかも、マイクロフトは国家を守り世界の平和を維持しながら(笑)、こういうことを全部一人でやっている。妹のことは、両親にも弟にもずっと嘘をつき続けている。この処理能力の高いお兄さんの、精神的負荷と仕事量の多さたるや。この無償の愛。
この不肖の弟は、兄に心配かけすぎじゃないの!??
と、今ならば思うんです!!!
兄弟がだんだん対等になるのはシーズン3くらいから。
後半、シーズン3と4の総論感想に続きます……。
各エピソード謎解き
ネットで感想を読んだとき、「意外とみんな、よく分からないまま見てるのかな」と思ったので、話が入り組んでいる回だけ、自分なりに整理してみました。モリアーティ関連の回と、アイリーン・アドラーの回。二度以上見ないと分からないことが多いですね。
1-3 The Great Game(『大いなるゲーム』)
1-3、モリアーティが人質を取って次々とシャーロックに謎を仕掛けてきた理由は?
本人いわく「手を出すな」「邪魔するのをやめなきゃ火炙りだ」。だから、シャーロックに「手を引け」と警告をするために一連の犯罪を仕掛けた、というのが一応の答え。
うーん、でも? 1-3であれほど手の込んだ仕掛けをしてシャーロックを試したのは、その時点ですでに並々ならぬ興味を持っていたからでは。ユーラスに五分間クリスマスプレゼントで会ったとき、すでに彼に興味を持っていた(だからこそユーラスがプレゼントに指定した)。
口では犯罪者らしく「手を引け」って言うけど、やっぱり退屈してたんでしょ?
ちなみに、ミサイル計画の入ったフラッシュメモリーが欲しかったからではないです。「こんなのいつでも盗めた」ってプールにぽちゃんしてました。
フラッシュメモリーはお兄さんに返した?
返していない。モリアーティと会うための手土産に使った。まったくこの弟は。
マイクロフトが「爵位を」うんぬんと言った、というのもでっちあげ。ただ、原作の『ブルース・パーティントン計画書』では「次の定期叙勲に名前を出して欲しかったら……」という台詞があるので、それをふまえた表現かと。
なぜ警告しただけで立ち去ろうとしたモリアーティは気が変わって戻ってきた?
本人は「僕は気まぐれ」と説明するけど、私はモリアーティが去った後、シャーロックとジョンがいかにも仲良さげな会話をしたからかな、と思っている。
ジムは嫉妬したのでは!??
考えてみれば、彼もずいぶんシャーロックを愛してるんだよね。ゆがんだ執着ではあるけど。もしも、もしも、シャーロックが悪の道に進んでいたら。シャーロックのそばにジョンがいるように、ジムのもとにシャーロックが来ていたら?
そのときには、犯罪王の人生はまったく新たな局面に入り、永遠の退屈をまぎらわす相手を得て、心の底から望んでいた充足感を得ていたかもしれないよねえ。二人は喧嘩もしつつそれなりに気が合っただろうし、ジムはもう本当にシャーロックを愛したと思うなあ(妄想おわり)
でも、実際はシャーロックは「天使の側」にいて、さっさと兄と共謀して、彼を葬り去る計画にまい進するんだよねえ。残念だったねえジム。マイクロフト、兄冥利に尽きるね。
2-3 The Reichenbach Fall(『ライヘンバッハ・ヒーロー』)
モリアーティの目的は?
シャーロックをただ殺すのではつまらない。名探偵のこれまでの名声をすべて剥ぎ取り、偽物の天才だったと世間に信じ込ませ、その上で自殺させること。
シャーロックを(社会的にも、命を失うという意味でも)「落下させる」こと。
シャーロックとマイクロフトの目的は?
2-3全体が、「シャーロックとマイクロフト VS モリアーティ」という構図になっている(ただし、3-1まで明かされない)。
ホームズ兄弟は、前述のモリアーティの計画をよく分かった上で、この犯罪のナポレオンをどうやって葬り去るか、じっくりと計画を立てていた。
まず、モリアーティには優位を感じさせ、思ったように事は運んでいると思わせる必要があった。
マイクロフトはシャーロックの情報を意図的にモリアーティに流す。モリアーティの死後、彼の犯罪網を壊滅させるための情報を引き出すために。
シャーロックは名声が揺らいでいくのにじっと耐える。モリアーティなんて本当はいなかった、シャーロックに雇われた役者だった、という特ダネ記事も出てきて、シャーロックはジョンの前では怒り、追い詰められていく様子を演じながら、チャンスを待ち続けた。
優位に立ったと確信したモリアーティがバーツの屋上に出てくる。その後の予想されるシナリオは13通り。モリアーティはシャーロックの自殺でこの物語を完結させるため、飛び降り自殺しなければ、三人の友だち(ジョン、ハドソンさん、レストラード)を殺すと脅すが、モリアーティ自身が生きているかぎり、その指令を止めるすべがあると悟り、突然自殺する。これでシャーロックも友人の暗殺を止めるためには自殺するしかなくなった……と、思われたが……。
これらは、3-1で謎解きされていますね。アンダーソンの幻覚かと思ったけど、そうではなく、制作陣も「これが真実」とのこと。
ちなみに、なぜジョンだけでなく三人なのか。確かにこの三人は兄以外でシャーロックの「本当の味方」ですが、モリーと付き合おうとしていたわりにはモリアーティは彼女に対する調査が足りなかったのかw
あらゆるコンピュータに入れるキーコードは存在した?
存在しない。存在するわけない!!!
少しでもコンピュータ関係の仕事をしていた人なら全員がツッコミを入れたと思う。
量子コンピュータができてRSAキーの解読ができなきゃ無理。それでも「万能のキーコード」なんてない。モリアーティが「そんなものない」と言ってくれたので、このシリーズに失望せずに済んで心底ホッとした。
銀行や刑務所へのハッキングは、地道な人的ハッキング(内部に協力者を作る)等で行っていたと。そうでないと。さすがだよ犯罪王。
シャーロック、すべてはモリアーティに優位を感じさせるためだったと思うけど、本当に万能のキーコードがあると信じていたのならモリアーティが言ったように「がっかりだよ」!! そんなことないと思うけど。
こんな話に騙されるのは、一本指打法でブログを書いてるジョンくらいのもの。
あれ? でも、四人の殺し屋も騙されていたのか?
モリアーティはなぜ自殺した?
自分が生きている限り、シャーロックの友人たちを殺す指令を止める方法が存在する。その可能性をゼロにするために自殺した。というのが答えだと思うんですが、やっぱり「え?」と思うところはあります。生きてる方が対処のしようがあったと思うんだけど。あと、マイクロフトの権力と情報機関の介入を過小評価しすぎ。
自殺願望があった、とシャーロックが言っていた気がする。4-3でユーラスも「彼は生きていることにさほど興味がなかった。死んだ方がトラブルが引き起こせるならなおさら」とこの説を補強している。ただそれも、えー? そうかなあ? という感じは残る。生きてる方がトラブルでも何でも起こせるじゃない?
最後にシャーロックの目を見つめて「君は凡人じゃない」「ありがとう」と嬉しそうに言って、直後に命を絶つわけですが、やっぱりこの世が退屈すぎて、ということなんでしょうか。自分と同等の人間と最後にゲームができて、「ありがとう」?
いつかまた見直すと、意見が変わるかもしれません。
マイクロフトがジョンに話した内容は正しかった?
兄弟の本当の計画は話していない。でも「I’m sorry」には心がこもっているかもしれない。
一度目、221bの周りに殺し屋が四人引っ越してきてるという話は、マイクロフトがこの情報はジョンにも知っておいてもらいたいと判断したんだろうな、と。シャーロックを守れ、という頼みを、「迷惑でなければ頼む(”If it’s not too much trouble.”)」という言い方にちょっと笑ってしまった。
二度目、シャーロックの情報をモリアーティに流したのは、兄弟の計画の上で意図的にしたことだった。
ただ、最後の「I’m sorry」には、2-3の間ずっとジョンを騙していること、今後の展開によってはジョンに大きなトラウマを負わせてシャーロックの死を偽装することになる、ということに対する兄の謝罪が入っていると思います(笑)。
なぜジョンに死の偽装の真相を話せなかったのか?
シャーロックは3-1で「君の軽挙が心配で」というようなことを言っている。
モリアーティの犯罪網を完全に壊滅させるまでは、シャーロックが生きていると分かると、彼の最後の指令(ジョン、ハドソンさん、レストラードを殺す)が誰かに実行されてしまう恐れがあった、のかもしれない。
つまり、モリアーティの残党に「シャーロック・ホームズは本当に死んでいる」と信じさせておく必要があり、そのためには、ジョンが本当に傷ついて、悲しんでいる必要があったということかと。
3-1でジョンがブチ切れるのがよく分かる。
2-1 A Scandal in Belgravia(『ベルグレービアの醜聞』)
シャーロックがアイリーンの家を訪れたとき襲ってきた男たちは?
アメリカのCIAか、CIAが雇った男たち。
アイリーンの携帯にあった王室スキャンダル画像は無関係。
同じ携帯にテロ組織を騙す「コヴェントリー計画」の証拠が入っていたので、それを取り戻すためだった。しかし、かなり手荒なうえあまり頭が良くない(ように見える)。
クリスマスの日に出てきたアイリーンの死体は?
偽物。おそらく彼女を手伝ったモリアーティが準備した。
シャーロックは死体の体を見て「彼女だ」と断定するが、そんなに誰かとそっくりの死体を用意できるかな? 顔をつぶすというのも怪しすぎるし。
シャーロックも本当にアイリーンだと思っていたわけではないかもしれない。危険が迫っていると考えられる彼女を逃がすために、「彼女だ」と断定した?
アイリーンはなぜシャーロックに一度預けた携帯を取り返しに来た?
ジョンと会ったとき答えている。「姿を消したくて預けたが、間違っていた。取り返したい。」
アイリーンが生きていることに気づいた後、ベイカー街を襲ってきたのは?
アメリカのCIA。アイリーンの家を襲撃したのと同じ輩。
アイリーンの携帯はこのときベイカー街にあったが、ハドソンさんが傷を負いながらもアメリカ人たちから守った。
シャーロックが最高に褒めている。
アイリーンはなぜベイカー街に突然現れた?
携帯を取り戻すためと考えられるが、最後にマイクロフトが指摘するように、「別離の悲しみ、再会の喜び」から、いいところを見せようとするシャーロックに問題のメールの謎解きをさせるためだった、とも考えられる。
シャーロックは一瞬で飛行機の座席表と読み解いた。
マイクロフトと国防省の計画、ボンドエア便、コヴェントリー計画とは?
テロリストの行動が本当は分かっているが、今後の諜報活動のため分かっていないふりをしたい。
そのために、爆破される予定の飛行機(007便)に死体を搭乗させて、あえて爆破させようとしていた。
敵の暗号を解読したのに解読していないことにした、「コヴェントリー計画」から。
長い時間をかけた計画だったが、シャーロックはアイリーンのメールとマイクロフトが口を滑らせた「ボンドエア便は準備完了」という言葉をつなぎ合わせて、真相をつかんだ。
アイリーンはシャーロックがつかんだ真相をモリアーティに送り、モリアーティはマイクロフトに「知ったぞ」とメールを送り、金も時間もかけた計画が弟のせいでおじゃんになったマイクロフトは苦悩してウィスキーみたいなのを飲んでいた。
しかし、よく考えるとかなりボロが出そうな作戦である気もする。たとえば、マスコミは遺族にも取材するよね?
モリアーティの役割は?
アイリーンを手助けしてくれた。アイリーンも「情報を持っていても生かし方が分からなかった。コンサルタントがいてくれてよかった」と言っている。犯罪のコンサルタント。
モリアーティは、ホームズ兄弟、とくにマイクロフトとの交渉にも助言をくれた(兄は氷の男、弟は童貞、と評している)。モリアーティはシャーロックに興味があったために積極的に関わったのでは? 冒頭、二人の間で話している「そろそろ時間だと思わない?」は、アイリーンがイギリス王室にパワープレイを仕掛ければ、解決の話はマイクロフトに、最終的にはシャーロックに行くはずだ、と読んでいたのかな?
最後にシャーロックが携帯のパスコードを破ったのは?
アイリーンがベイカー街にいるときに脈を計り、彼女が「本当に」自分にセンチメントな感情を抱いている、と判断したため。その他に、アイリーンは金庫のパスがスリーサイズだったり、大事なものに自分を投影するくせがあった。
でも、すっごい無謀な賭けにも思えるんだけど。
なぜアイリーンはシャーロックに惚れたの?
最初からうきうきしていたし、「好みだわ」みたいな発言もあったと思うけど、個人的にはあまり納得感がなかった。
この男(シャーロック)と過ごせる時間はあとわずかだと悟って、暖炉の前でひざまずいて「セックスしましょう」と言ったとき(いや、そんなはっきりとは言ってないけどw 「ディナー」という言い方をしてるけどw 前後の文脈から考えるに本心はそうだと思う)、その瞬間だけは彼と一体になりたいと心から思ったかもしれないけど、でも、自分の命であるスマホのパスコードに投影するほどに、惚れてるのかな???
シャーロックは賢くてチャーミングだけど、アイリーンはあんなうぶでナイーブでオタクなタイプを本気で好きになる女性には見えなくて。でも、これは脚本なのでしかたない。女性の心は分からないってことで。
シャーロックはテロ組織につかまったアイリーンを助けた?
カラチまで行って助けた。4-2でも彼女からメールが来ている。
マイクロフトも「弟なら私をだませるが」と言っている。つまりシャーロックがカラチに出向いていたなら偽装できるだろうということか。弟の出国情報くらいつかんでそうだけど。
結局、シャーロックはアイリーンのことが好きなの?
単純には言えないけど、広い意味ではそうだと思う(笑)。2-1の最後に「The Woman」と二回呟いているところなど、原作通り、「心の中の特別な場所を占めることになった女性」というところか。恋愛を始める気はないはずだけど、4-2で時々メールに返信してしまう、とは言っていた。
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